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B2B Marketing.JP

B2Bマーケティングに関するよもやま と 雑記

日本におけるアカウントベースドマーケティング(ABM)について~前菜~

新しいマーケティング概念が日本でも取り上げられ始めています。アメリカでB2Bマーケティングの効果を高める手段としてAccount Based Marketing(ABM、アカウント・ベースド・マーケティング)が2016年から目にするようになりました。

米ITSMA(ITサービスマーケティング協会)の報告書 でも今後の注目、注力マーケティング領域として挙げられています。

 

Account Based Marketing(ABM、アカウント・ベースド・マーケティング

とは(学術的には異なりますが)、簡単に言うと

・ターゲットとなるアカウントを決める。

・上記特定のアカウントからの売り上げを最大化するためのマーケティング支援

これだけだとそのまんま過ぎるので、追記すると、

・ターゲットアカウントに属するリードからのマルチコンタクトポイントでデータを収集

・当該データを活かし、過不足なくまた興味関心を維持し

・営業との協業をはかる事。 でしょうか。

 

ただし、2005年当時日系企業で営業をしていた私からすると”至極、当たり前”のように感じました。業種業界によも寄るのでしょうが、例えば電子部品業界の場合を考えてみましょう。メーカーA社の開発部門の設計者に新商品の「プロトタイプ」に使ってもらえるように提案・営業活動を行います。晴れてプロトタイプに使われ、量産の段階でこの電子部品を使っていいよ、という「認定」を受けるわけです。他方、大量の電子部品を一社供給と言うのは所謂QCDの面からSTOPがかかります。そう、購買部門の登場です。購買部門に対してのアプローチを行う事で、できるだけ高い単価で、高いシェアを獲得する必要が出てきます。時には急激な需要増で短納期調整を行うことも出てくるでしょう。これはメーカーA社が開発から生産を行う場合です。昨今のファブレスの場合は、アッセンブリメーカーとの交渉も発生するでしょう。

このように、特定の部門への売り込みではなく、複数の部門を横断して営業活動をしなければいけない業種・業態の場合、ずいぶん前から、また今も日本の営業現場で息づいているケースも少なくありません。

 

このアカウント・ベースド・マーケティングの流れをどう理解すれば良いのでしょうか。対極に位置するのが、従前までのマーケティングオートメーションです。多くのマーケティングオートメーションベンダーは「(スコア・ベースド・マーケティング」「(ハイ)スコア・ベース・ドセールス」を謳っていました。

つまり、「今、一番買ってくれそうな(関心度の高い)顧客をスコアリングによって導き出します(抽出します)」と。

 

実際の営業現場からすると、「ハイスコアのホットリード」と言われても困るわけです。酷い会社の場合、そもそも与信が通らない規模までとりあえず営業にパスする。(コンバージョンしたから1件は1件だもんね、へへっ)このようなマーケターは地獄に落ちてほしいわけですが、例え与信が通ったとしても規模であったり、商材および営業マンが得意な業種・業界が各々あるかと思います。そういうのを一切合切無視して、「この人ホット(ハイスコア)」だから、というパスをしていたスコアベースドの考え方から、「特定の企業」になるわけですから営業にとっては、このアカウント・ベースド・マーケティングはどうやら良い風向きのように思います。他方、営業にとっても相応の覚悟が必要になってきます。アカウントを定義する以上、そこからの売り上げの最大化(増加)ができなければなりません。(言い訳が聞かない、ということですね。)

マーケティング部門、マーケターにとっても同じことが言えます。”たまたま”広告でひっかかったS社のスコアがあがった、たまたまホワイトペーパーをダウンロードしてくれたT社のスコアがあがった、ではなく、事前にターゲットにしたM社のスコアをあげなくてはいけないわけです。これ、実はものすごく大変な事です。量産型ザク・・・量産型コンテンツを吐き出しているようなコンテンツマーケティング屋さんに頼んでもできないわけです。(そういう意味で、今後コンテンツマーケティング第二章が始まるかもしれません。淘汰の時代/業種業界に特化した専業化の時代ですね。)

マーケティングオートメーションの「スコア・ベースド」もなくなりはしないとは思いますが、特に営業部門が「ラージアカウント」「SMアカウント」に分かれている企業なんかは、ラージアカウントはアカウント・ベースド・マーケティングが、SMアカウントはスコア・ベースド・マーケティングのハイブリッドをどのように実現していくかがキーになってくるのでしようね。

 

同時に、もう1つ活発になるであろう動きは「インサイドセールス」です。前述の通り、偶然スコアのあがったS社やT社ではなく、全くメールも開いてくれない、WEBも見てくれないM社に「どうしても」一歩前に進めたい場合、電話は避けられない手段ではないでしょうか。とは言うものの、この部分を営業に任せたのであれば営業から見れば「何がアカウント・ベースド・マーケティングだよ」となるでしょうし、マーケもそれは望むところではありません。いわゆるテレマーケティングのような数うちゃあたるの世界ではなく、精度の高いコールと展示会フォローのようなバルクで扱わないといけないようなコールのこちらもハイブリッド型が今後求められてくるのではないでしょうか。

 

 

あとがき:

何故、アカウント・ベースド・マーケティングなんでしょうね。発音はベーストゥじゃないでしょうか。

 

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